金魚日記

金魚についてのブログです。初心者につき手探りで飼育をしております。

金平糖の星

きんちゃんが亡くなった。

最近は水作りにも気を使っていたし、横たわっている以外に病気も見当たらず、元気になりつつあるように見えた、その矢先だった。もしかしたらこのまま長生きをするのではないかなどと暢気な希望も抱いていたが、やはり駄目だったようだ。数えてみると、横たわってしまってから丸3ヶ月が経っていた。

 
きんちゃんは、横たわっているためうまく餌を食べられず、餌をふやかしてからピペットで口元に持っていくという給餌をしていた。
この日も私は水槽を覗いており、きんちゃんはいつも通りヒラヒラと鰭を動かし、ヤアヤアと手を挙げているような具合であった。しかし、私が餌をふやかすために水槽から離れた僅かな間に、きんちゃんは短い生涯を閉じた。もう危険かもしれないと思う暇さえなく、呆気ない最期だった。先ほどまで緩やかに開閉していた鰓が、全開になったまま硬く停止していたのが今でも目に焼き付いている。もしやまだ生きているのではないか、突如いつものように鰭をヒラヒラ動かし始めるのではないかと、今思い起こすとよく分からぬ淡い期待を抱きながら、しばらくそのままにしてみたけれど、もちろんそんなことは起こるはずもなかった。
死んでしまったんだと認識できてから、きんちゃんを水槽から救い出した。真っ白なティッシュの上に、テラテラと真っ赤に輝くきんちゃんを横たえ、労わるような気持ちでその小さな身体を撫でてみた。ガラス越しに見つめあうだけでいたけれど、実はずっと触ってみたかった。人間の体温は魚からすると火傷するほど熱いらしく(氷で手を冷やしてから触るという方法もあるらしいが)、どうしても怖くて触れなかった。もはや怖れることは何もないはずなのに、なぜか震える指先で、私はきんちゃんと触れ合うという願望を叶えることができた。
指先に伝わるヒンヤリとした体温と、美しい鱗からは想像もできなかった生々しいぬめりが印象的だった。目はこれ以上ないほど透き通って盛り上がっており、口先は思ったより硬かった。匂いを嗅いでみたところ生臭さがあり、「そうか、きんちゃんも魚だったんだな」という妙な現実を感じたりした。
棺代わりの箱にティッシュに包んだきんちゃんを寝かせて、餌を入れてやった。元気だった頃のように、好きなだけ餌を食べてほしい気持ちでいっぱいだった。餌は茶色いので重苦しそうに見え、何か綺麗なものをと考えて淡い色合いの金平糖も一緒に入れた。アクアリウムに関するブログでは、生き物が死ぬと「星になった」とよく書かれている。
自己満足ではあるけれど、きんちゃんは金平糖の星に包まれているようだった。